親が嫌いなわけでもない、愛されて育ったと思っていても、「親なんて嫌い」「親はうるさい、理解がない」と思った事があったり、親の嫌なところの一つや二つがあるというは、ある意味普通のことだと思います。
ところが「親のことを嫌だと思ったことが一度もない」「親の嫌なところは全くない」という人もいるのです。
子供の性格育成には最初の社会、家庭、親が影響すると言われているので、うちの親は毒親だ、そのせいで今の自分は悩みが多い、という方からすると羨ましいことかも知れません。
ですが
- 好きな人とは話せない、異常に照れる
- 他人とのコミュニケーションが苦手
- 自分で大きな物事を決められない
- パートナーと向き合えない
- 血縁者以外を人として見れない、思いやりを持てない
- 50代以降から理由のわからない不安が出てくる
このようなご相談でカウンセリングを受けられる方の中に「親を嫌だと思ったことが一度もない」という方が多いのです。
これは「親を嫌だと思ったことは一度もない」クライアントさん(20代 女性)が、申し込みフォームの相談内容の欄に記入されたものです。
※ご本人の承諾を得ています。
嫉妬感や思い込みのようなものをコントロールできないでいる。普段はよくてもそのような感情が出ると自分でも嫌になる。より近い距離感の人に出やすいので仲良くなってくると不安になり自然に距離をとろうとする癖があるように思う。 改善したい。
クライアントさんをAさんとします。
数年前「好き」と言葉にしたら軽く思えて言いたくないほど大好きな男性と出会い、交際しました。
Aさんと彼はある楽器の奏者です。彼とは演奏でも組むことになりました。
二人のセッションは、自分も彼も今まで感じられないほど素晴らしいものになったそうです。
ところが、ある日突然彼から別れを告げられてしまいます。
それから少ししてAさんのお父さんが亡くなりました。
彼とは別れてからも仕事では一緒です。
Aさんのお父さんが亡くなった時に、彼が支えようとしてくれましたが、Aさんは彼に近づくのが怖くなり、避けるようになりました。彼が怖いというより自分の気持ちの波が怖くて、またあの波が来ると思うと心が固まってしまうのだそうです。
その波とは、彼と付き会っている時は今まで経験したことのないような大きな喜びを感じることができたけれど、衝突した時は胸をえぐられるような苦しみもあったので、喜びの大きさと大きな苦しみを繰り返すことだそうです。
またあの思いをすると思うと怖くなり、彼と仕事するのはやめることにしました。
暫くすると彼は新しい女性の演奏者を見つけました。彼とその女性は恋人同士ではないのですが、演奏を聞いていると嫉妬して苦しい、でもどうしようもできない。復縁したいのかといえばそうではなく、怖さのほうが強いので嫌なのだと言います。
彼に対しての怖い気持ちを話している時に、Aさんは中学時代のある友人のことを思い出し、話し始めました。
中学生になってすぐに他の友人とは比べ物にならないくらい大好きな親友ができたそうです。
まるで家族のように遠慮なく親友に接していたAさん。
ところが暫くすると、その親友はAさんから離れていってしまいました。
理由を聞いても話してくれないし、どうしていいのか分からなくて怖かったそうです。
でも他の”普通”の友達とは何のトラブルもなく仲良くできていたので、今まで思い出すこともなかったそうです。
なぜAさんから大好きな人ばかりが離れていってしまったのでしょうか?
誰も悪者がいない中で②に続きます。