対人関係で悩みが多い方は「人それぞれ、表現の仕方も、受け止め方が違う」ということを理解していないことが多いです。
「表現と受け止め方の違い」を理解していないことで誤解が生じ、仕事、恋愛、友人関係でも、
長く深く付き合う前に嫌ったり、嫌われたり、諦めたりしているのです。
「表現と受け止め方の違い」とは
例えばAさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんの5人がいたとします。
ある日Aさんが髪型を変えてきました。
それを見たB、C、D、Eさん全員、Aさんの髪型を「可愛い」と思いました。
Bさんの表現
Aさんを見た瞬間、「可愛いーっ!!」と大きな声で言う
どこがどんな風に可愛いかを興奮気味に伝える
Aさんの受け止め方
⑴「こんなに褒めてくれて、とても嬉しい」
⑵「褒め慣れているから誰にでも言うのだろう」「お世辞だろう」と思う
Cさんの表現
Aさんに「髪型変えたんだね」と言う
Aさんの受け止め方
⑴「気が付いてくれたんだ」と喜ぶ
⑵「可愛くなったね」とまでは言ってくれないCさんに不満を持つ
可愛いと言ってくれないCさんに、Aさんが「変かな?」と聞いたとしたら、
Cさんは『可愛いと思わなきゃ髪型を変えたことには触れるわけないのに』と思うかも知れません
Dさんの表現
「可愛いね」とだけサラっと言う
Aさんの受け止め方
⑴さりげなくサラっと言ったからこそ真実味があって嬉しいと思う
⑵サラッとしか言わなかったから社交辞令で言ったんだろうとしか思う
Eさんの表現
何も言わない
『本人が好んで変えたものなんだし、それをわざわざ褒める方が失礼』と思ったからです。
まるでお寿司屋さんに「お寿司を作るの上手ですね!」と言うみたいで、かえって失礼なようで言えない、
だから言わなくていいだろうと
Aさんの受け止め方
⑴可愛いと思ってくれているのは分らない
⑵自分には興味が無いのだと思う
⑶何とも思わない
⑷この髪型、変だと思っているのかな?と思う
⑸何も言ってくれないなんて意地悪だと思う
Aさんが女性で
C、D、Eさんも女性だとしたら
「僻んでいるからそれしか言えないんだろう」と思うかも知れないし
C、D、Eさんが男性だとしたら
「照れて何も言えないんだね」なんてことも思うかも知れません。
そして Bさんのように「大きく褒める人」が髪型を変えたとして、
DさんやCさんのように言われたり、Eさんのように何も言ってくれなかった場合、
自分の誉め方とは違うので、
「たくさん褒められなかったから可愛くないのかな。」と思うかも知れないし、
「この髪型は変なの?」とまで思うかも知れません。
C、D、Eさんは、自分は人に大きな表現はしなくても、
Bさんのように大きく褒められたら嬉しいかも知れないし、逆に「大げさだ」と思うかも知れません。
そして、ABCDそれぞれが いつも同じ表現や、受け止め方をするではなく、
その日の自分の状態によって違うこともあります。
これは 「どう褒めるのが正解か」「誰が性格が良くて 誰が悪い」という話ではなく、
同じ事を思っていても、人の表現はそれぞれで、どう感じるかも違うということです。
人間関係で悩みやすい方は、その人のたった一言や、一面で、
「この人は良い人」「この人は悪い人」「自分は嫌われた」と決めつけてしまいがちです。
相手がどう思っているか悩む時には、決めつける前に直接聞いてみると良いのですが、
それが難しいのなら『表現の違いはある』ということを考えてみましょう。
誰にだって本人にそのつもりはなくても『誤解されること』があるのです。
それなら自分が人を『誤解してることもある』ということです。
そして、自分にも「その日の気分」があるのです。なら人にも「その時の気分がある」と考え、
「こう思われているだろう」とか、この人は「こんな性格」だとは決めつけず、
なんでも良く捉えておかなきゃいけない…のではなく、良く捉えておいたほうが人間関係で悩むことが少なくなるでしょう。