パートナーの自死・悲しみとは別の何かを思っても仕方ない

※ご本人の承諾を得ています
 女性 会社員 子供二人
【ご相談内容】
 子供の非行・問題行動

電話カウンセリング60分

ご相談内容はお子さんの問題行動でした。
友人を家に呼んではゲームをして大騒ぎする、返事をしない、何もいうことを聞かない等。
仕事で疲れているのに子供たちはいうことを聞かず、ストレスから体調も崩されてしまったそうです。

お子さんの様子を伺っている時に、半年前にご主人が自死されたことを話されました。
ご主人は繊細で自分勝手で弱い人だったそうです。
遺書には、奥さんには何の不満もなかったということと、感謝の言葉と「愛している」が沢山書かれていたそうです。

お子さんの問題行動はご主人が亡くなる前から始まっていたそうです。

お子さんの問題行動について、どれだけ疲れるかという話をされている時に、
「子供達がこんな状態だって分かっていたのに、私一人じゃどれだけ大変になるか分かっていたのに、なのに」
と仰ったので、
「申し訳ないですが、ちょっと恨みたくなってしまいますね」と私がいうと、

「そうなんです!そう思っていいんですか⁉︎ 私一人に子供達を残してどういうつもりなの⁉︎
ふざけんな、何が愛してるだ!と思ってしまって、でも亡くなった人にそんな事を思ってはいけないのかと思って、考えてはいけないと思っていました。周りの人もみんな慰めてくれるけど、主人の死は私の責任だと思われているんじゃないかとか気にして誰にも会いたくないし、もう本当に辛くて、残されて生きていくことがどれだけ大変か、自分だけ楽になってと恨んでしまう気持ちが強くて」

ご主人への文句を一頻り言った後、ご主人の良いところも沢山思い出して話されました。
もっと一緒に居たかった、子供達が巣立ってからある国に一緒に旅行しよう約束してたのに、と。

今とこれからの大変さを考えると悲しむ余裕もなかったのです。
お子さんの前でも茫然とはしても泣いてしまうこともなかったそうです。お子さん達も泣いたことはなかったそうです。

「悲しいけど、恨みたくなる気持ちもあった」これを認められてから、お子さん達の行動、お子さん達の様子もカウンセリングが始まった時に話されていた内容とは違い、冷静に見つめて話せるようになり、これからの改善策も話し合うことができました。

この方もそうですが、これからの大変さは事実なのに、死者に対しては悪いことを思ってはいけないと気持ちを抑えることで体調不良を起こしてしまうことは多いです。

例えば、身内の介護をしていた、元気になって欲しいと思っているのも事実。亡くなったら悲しいのも事実。でも介護生活が大変だったので亡くなってから「やっと楽になれるとホッとした自分もいた」

そうなると「自分は、早く死んで欲しいと思っていたのか⁈」と心の奥底で自分にショックを受け、無意識に「いつまでも元気がない自分いなければならない」と思っていた人もいます。

一つの出来事の中で、自分が思うことは一つではありません。時には真逆に思うようなことも出てきます。思ってしまうことは”思ってしまう”のだから仕方ないです。それでどちらかの気持ちが「嘘」になることはないのです。

誰かにわざわざ告白しなくてもいいので、自分くらいは自分の気持ちを正直に聞いてあげましょう。

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