気持ちの整理と確認の大切さ(クライアントさんのご報告から)

カウンセリングを受けようか迷っている方の中には、
「自分で散々考えても解決できなかった事を、人に話したところでどうにもならない」
と思う方もいるかと思います。

これは先日クライアントさんが言っていたことですが
「(悩みに関しての)今まで色々な本を沢山読んだんですがね、(解決しなかった)」

これは私もですが、悩みがあり自分で散々考えたとしても、
頭で考えているだけでは、明確に何をどうしたいかまで至っていないことが多いです。

本を読んでも、人は無意識に自分に都合の良い部分だけしか頭に入らない、入れていないことも多く、
それでは今までの「自分だけの考え」に何もプラスされていないということなのです。

カウンセリングとは、カウンセラーがただお話を聞いているだけではありませんが、
利害関係のない人間と対話することにより、頭の中にあったものを外に出します。

言葉にする=頭の中から外に出す
カウンセラーに説明する=並べる・整理

こうすることにより、今の自分を客観的に見つめ、状態をしっかりと意識でき
自分はどうしたいのか、整理することができるのです。

例えば「彼にふられて辛い」という人は「辛い」までは自分でも分かるでしょうが、
「何がどう辛いのか? どうだったら良いのか?」と質問されたら答えは人によって違います。

気持ちの整理と確認とは、自分のことだから分かっていると思ってしまうからこそ難しいのです。

先日症例をお願いしたクライアントさん「誰も悪者がいない中で」からご報告のメールをいただいたのですが、
気持ちの整理と確認の大切さを実感されたことと、自分が行動したことにより得たものについても書いてあり、
素晴らしいご報告でしたのでご紹介させていただきます。

※お見せ出来ない内容をたくさん削除しているので読みにくいかも知れません。

>先生へ
>こんにちは。○○のAです。
>先日は楽しいセッションをありがとうございました。やはり直接お会いできてよかったです。
>その後のことはご報告しますね!と約束しましたので、お知らせいたします。
>(Aさんがある行動を起こした事)精一杯でしたが、そこには「私が******した。」という事実が生まれました。(省略)
>なににせよ、ずっとモヤモヤしていた一歩を勇気をもって踏み出すことができたのは、先生とお話しできたことが最後の後押しとなったことに間違いはありません。
>その後の先生のブログも読ませていただいて、改めてとても勉強になりました。
>中でも、「人の気持ちを失うことの怖さ」が無かったぶん。というのが印象的でした。
>振り返ってみると本当にその通りです。
>そしてまた一つ、子供の頃にあったことを思い出しました。(学生の頃にあった出来事が書いてありました)
>もうそのようなことはしたくない。と思って周りにいる人に対して、よくもわるくも全部気持ちを言ってしまったり、そうなる前にもう自分から距離を置こうという行動をしてしまったりするもかもしれないな。
>なんてことも思いました。
(カウンセリングを受けた後は、終わってからもどんどんと自分の気持ちに気づくことが続きます。)

>もしかしたら、その頃から「人の気持ちを失うこと」にはじめて触れてそれを今まで引きずってきたのかもしれません。
>とても悲しかったのだと思います。
>本当に誰も悪者がいない中だったからだと思います。
>先生とお話して、とてもヒントになったり整理できたり再確認することの大切さを学びました。
>本当にお会いできてよかったです。
>またきっとお顔を見にゆきます。
>とりいそぎ、ご報告まで。
>(ご報告ですので、もちろん返信などは不要です。)
>A

Aさん、ありがとうございました。

気持ちの整理と確認は、自分の思う事をなんでも良いので紙に書き出しても効果があります。
しかし紙に書くのでさえも無意識に「こんなこと思っちゃいけない」「こんなこと思ってしまう自分は嫌だ」
「恥ずかしい」という気持ちが出てきて、書きたいのに書けないこということがあります。

そのようなときはカウンセリングをご利用ください。

誰も悪者がいない中で②

「誰も悪者がいない中で」の続きです。

「親を一度も嫌だと思ったことがない」という人は、大きな愛情に包まれて伸び伸びと育ちます。
他人に意地悪もされたとしても悪く捉えないので、多少のことでは傷付くこともありません。

嫌なことがあったとしても引きずる事もないのは、絶対的な味方(親)がいるので何も怖くないのです。

自分が人から受け入れられるのは当たり前だと思っているところもあり、無理に人から好かれようともせず、どこかで「自分に害を与える人間はいない」とも思っています。人から嫌われる怖さも、人を失う怖さも知りません。

気持ちを察してくれる親になれているので、他人に気持ちを伝える必要性もわかっていないところがあります。

不機嫌な時は誰の前でも不機嫌な態度のままで居れ、嫌なことがあればNOもはっきり言えます。
感じたことは素直に口に出して、それによって他者が傷つく事もあると考えられない。

人を信じる力が強いので、他人とある程度仲良くなると急に家族と同じような接し方をしてしまうことがあります。


彼がAさんと別れた理由は「Aさんの気持ちが分からないから」でした。

Aさんは、この彼と付き合うまでに、他の男性とも付き合ったことがありますが、
みんな何となく友達の延長として付き合っていただけで「好き」と思うこともなかったそうです。
振られたこともありましたが、あまり悲しいとも思わなかったそうです。

でも彼のことは「好き」と言葉にすると薄っぺらく思えて言いたくないほど大好きだったのです。
彼はAさんにいつも素直に気持ちを伝えていてくれていましたが、
Aさんから彼に気持ちを伝えたことは殆どありませんでした。

伝えようとしても好き過ぎて言えなかったのと、時々彼の前で話せなくなってしまうことがあったので、
気持ちを聞かれても上手く答えることができなかったそうです。

彼の話をしている時に、Aさんは中学生の時に親友が離れていった時のことを思い出しました。
その時の出来事が彼と話せなくなることに関係していたのでした。

親友が離れて行った時のことを思い出すと、彼を失うのが怖くなり急に何も話せなくなってしまったそうです。
でも、演奏について話すときは何も考えずに彼とぶつかり合えたそうです。


中学生の時の親友が離れていった理由は、当時のAさんは全くわからなかったので
何度か本人に直接聞いたそうなのですが、何も教えてくれずに避けられてしまったそうです。

他にも仲の良い友達はいたので、あまり気にしていなかったそうなのですが、今思えばその頃から
理由の分からない恐怖が込み上げてくることが時々あったそうです。

数年後、人伝に聞いた理由は、
Aさんは親友に「私以外の子と仲良くしないで欲しい」と伝えたことがあったそうです。
Aさんは悪気もなく、思ったことをそのまま伝えたのでしたが、親友からすると、
「Aさんは他の友達とも仲良くするのに、自分には他の子と仲良くしないでと言われるのが嫌だった」
「Aさんからは傷つくことを何度も言われていた、勝手なAさんに合わせるのが嫌だった」
と言っていたそうです。

それまでのAさんは「人から嫌われたのかも」と考えたこともありませんでした。

親友が離れていったのは自分の言動が原因だったと知りショックを受けたけど、
「なら、どうしてその時に嫌だと言ってくれなかったんだろう」とも思ったそうです。

自覚はありませんでしたが、初めて受けた「人が離れていく経験」はAさんの心に大きな恐怖を残していました。
普通の友達とは無難に過ごすことができていたので忘れていましたが、
家族以外で初めて好きだと思ったのはこの親友で、その次が彼だったのです。

彼と別れ、気持ちも不安定な時に大好きなお父さんが亡くなりました。

このような状況では辛くて寝込んでしまう事もあると思うのですが、
Aさんは長子(一番上の子)なので、残された母、兄弟を思うととても辛く、
自分が支えなければと必死に考えていたのでAさん自身は十分に悲しむ事もできずにいました。

気丈に振る舞っていても、彼との別れや父親の死の悲しみから心身ともに疲れ
これ以上傷つきたくないのと、気持ちが離れて言ってしまう別れもも、亡くなってしまっての別れも
もう経験したくないので、仲良くなりそうな人とは「また失うことになるのでは」と不安になり
距離を置いてしまっていたのでした。

彼と新しく組んだ女性の奏者との演奏で嫉妬するのも当然の事なのですが、
ショックが続いてもしっかりしてようと思うあまり、自分の気持ちがわからないままで
苦しい気持ちの原因を探しているうちに「自分はこんな性格だ」と思い込んでしまったのです。


悲しいことですが、お父様の死やこの恋愛が今まで気が付かなかった色々なことに気付く
きっかけにもなったと仰っていました。
「このままでは嫌な事」の改善の為、これからどうしていくか方向性も決まりました。

離れていった元親友とは、昔のことのようでも強く気持ちが残っているので連絡をとって
一度お話をしてみることを提案させていただきました。

別れた彼のことは、別れて悲しいと素直に認められ、復縁を望むかはわからないけれど、
どうして気持ちを伝えられなかったのか、は話してみるそうです。

誤解されそうですが、このような方達は親が甘やかして育てたからではなく、
親子の仲が良かっただけで仲が良いと問題が起きやすくなるわけでもなく、
誰も悪い人がいなくても問題が起こることがあるのです。

Aさんはお申し込みの時点で最後にはしっかりと「改善したい。」と書いています。
どう育ったのだとしても、大事なのは「自分で自分をどうにかしたい」と思うことなのです。

余談ですが、この方はなんと伊豆諸島から埼玉県のここ、マグノリアまで来てくださいました。
遠くからお越しいただき「来てよかったです!」と仰っていただけたので嬉しかったです。
ありがとうございました。

このクライアントさんからのご報告:「気持ちの整理と確認の大切さ」

誰も悪者がいない中で

親が嫌いなわけでもない、愛されて育ったと思っていても、「親なんて嫌い」「親はうるさい、理解がない」と思った事があったり、親の嫌なところの一つや二つがあるというは、ある意味普通のことだと思います。

ところが「親のことを嫌だと思ったことが一度もない」「親の嫌なところは全くない」という人もいるのです。

子供の性格育成には最初の社会、家庭、親が影響すると言われているので、うちの親は毒親だ、そのせいで今の自分は悩みが多い、という方からすると羨ましいことかも知れません。

ですが

  • 好きな人とは話せない、異常に照れる
  • 他人とのコミュニケーションが苦手
  • 自分で大きな物事を決められない
  • パートナーと向き合えない
  • 血縁者以外を人として見れない、思いやりを持てない
  • 50代以降から理由のわからない不安が出てくる

このようなご相談でカウンセリングを受けられる方の中に「親を嫌だと思ったことが一度もない」という方が多いのです。


これは「親を嫌だと思ったことは一度もない」クライアントさん(20代 女性)が、申し込みフォームの相談内容の欄に記入されたものです。
※ご本人の承諾を得ています。

嫉妬感や思い込みのようなものをコントロールできないでいる。普段はよくてもそのような感情が出ると自分でも嫌になる。より近い距離感の人に出やすいので仲良くなってくると不安になり自然に距離をとろうとする癖があるように思う。 改善したい。

クライアントさんをAさんとします。

数年前「好き」と言葉にしたら軽く思えて言いたくないほど大好きな男性と出会い、交際しました。
Aさんと彼はある楽器の奏者です。彼とは演奏でも組むことになりました。
二人のセッションは、自分も彼も今まで感じられないほど素晴らしいものになったそうです。

ところが、ある日突然彼から別れを告げられてしまいます。
それから少ししてAさんのお父さんが亡くなりました。

彼とは別れてからも仕事では一緒です。
Aさんのお父さんが亡くなった時に、彼が支えようとしてくれましたが、Aさんは彼に近づくのが怖くなり、避けるようになりました。彼が怖いというより自分の気持ちの波が怖くて、またあの波が来ると思うと心が固まってしまうのだそうです。

その波とは、彼と付き会っている時は今まで経験したことのないような大きな喜びを感じることができたけれど、衝突した時は胸をえぐられるような苦しみもあったので、喜びの大きさと大きな苦しみを繰り返すことだそうです。
またあの思いをすると思うと怖くなり、彼と仕事するのはやめることにしました。

暫くすると彼は新しい女性の演奏者を見つけました。彼とその女性は恋人同士ではないのですが、演奏を聞いていると嫉妬して苦しい、でもどうしようもできない。復縁したいのかといえばそうではなく、怖さのほうが強いので嫌なのだと言います。

彼に対しての怖い気持ちを話している時に、Aさんは中学時代のある友人のことを思い出し、話し始めました。

中学生になってすぐに他の友人とは比べ物にならないくらい大好きな親友ができたそうです。
まるで家族のように遠慮なく親友に接していたAさん。

ところが暫くすると、その親友はAさんから離れていってしまいました。
理由を聞いても話してくれないし、どうしていいのか分からなくて怖かったそうです。

でも他の”普通”の友達とは何のトラブルもなく仲良くできていたので、今まで思い出すこともなかったそうです。

なぜAさんから大好きな人ばかりが離れていってしまったのでしょうか?

誰も悪者がいない中で②に続きます。